ドラゴンボール(昭和)・ワンピース(平成)・鬼滅の刃(令和)から見るビジネススタイルの移り変わり

今回は「ドラゴンボール・ワンピース・鬼滅の刃から見るビジネススタイルの移り変わり」というお話をしていきます。
この動画を公開している2020年5月18日、鬼滅の刃が4年3か月の連載を終えて最終回を迎えました。
2019年に一番売れたマンガとして社会現象になった作品で、僕はアニメを見てから単行本を読んだんですが、とにかくおもしろい!
何よりもスピード感がすごいんですよ!
そしてビジネス的な視点で見ていくとおもしろくて、コミュニティ運営とか、これからの新時代のビジネスに通じるものがあったので、今回はビジネス的視点から鬼滅の刃を見ていきたいと思います。
そうなってくると過去に一世を風靡したマンガと比較していくと、マンガの歴史とビジネスの歴史がバッチリとマッチしてて、何やらものすごくおもしろいことになっちゃったので、今回はそんなお話です!
それではスタートしていきましょう!
ドラゴンボールは個人至上主義
まずは昭和の時代に大流行したマンガ、ドラゴンボールについてお話していきます。
僕はど真ん中の世代で、小学校の時は毎週水曜日になるのが楽しみで仕方なかったんですよね。
ちょうどフリーザ編というドラゴンボールの中でも一番盛り上がったストーリーをタイムリーで見てました。
でね、ドラゴンボールのストーリーを簡単にお話しますと、いたって単純で主人公の孫悟空が強い敵と戦って、それを打ち負かしていくというストーリーです。
常に強い敵が悟空の前に現れて、その敵に負けないように修行したり、時には負けてしまって命を落としてはドラゴンボールという7つの魔法の玉で生き返ったりする話です。
すごいザックリとストーリーをお話してますが、本当にいたって単純なサクセスストーリーなんですね。
で、これはビジネス的な視点で見てみると、個人がとにかく実力をつけていって、お金をジャンジャン稼いでいくっていうスタイルなんですよね。
そこには理想の世界とか、理念とか、目標にしている崇高なゴールなんかはなくて、あるのはとにかくお金を稼ぐこと。
で、いい車乗って、いい所に住んで、六本木で毎晩パーティーして、南の島にバカンスに行きまくってみたいな感じです。
別にドラゴンボールをディスってるわけじゃありません。
僕のベースにあるストーリーで、今でも大好きですし、それが悪いって言ってるわけじゃなくて、ビジネス的な視点で見てみると、そういう成り上がり的なサクセスストーリーなんですよね。
本当に貧乏でつらかった人が、ネットビジネスでボーンって一旗揚げたみたいな、わかりやすい話です。
とにかく悟空は何度も何度も、強い相手と対戦していって、自らの戦闘能力を高めていくんです。
それがビジネスでいうと、スキルやノウハウをどんどん手に入れていって、そして次々と事業を成功させてお金を手にするみたいな部分とリンクするんですよね。
これがかつの時代のビジネスです。
ようは個人を最大限にブランディングしていった時代だったんですね。
プライベートな部分はいっさい見せなくて、とにかく成功者というのをアピールして、そしてそれにあこがれて起業家たちは富を目指したんです。
時代で言うと、昭和のバブルが崩壊してから平成の中期ぐらいですね。
ただもう今はネットビジネスとかで、成功者スタイルを前面に押し出して、南の島をアピールしてるような方法でお客さんにブランディングしてる人は、かなり時代遅れです。
そしてそれにあこがれを持ってしまうような受け取り方をしてしまう人も、注意してくださいね。
そんな時代はとっくに終わって、次の時代にシフトしてるんです。
じゃあどんな時代に移っていったのか、それを理解するのに役立つのがワンピースです。
これも集英社のジャンプで連載されていた作品ですね。
ワンピース型コミュニティビジネス
ドラゴンボールはすごくわかりやすくて、ある意味、成功者とそうじゃない人、勝者と敗者がバッチリ分けられたんですよね。
でも、それだと実力がなかったり、ビジネスに投資できる財力がない人は厳しい戦いを強いられてしまってました。
もともとお金がある人とか、コネがある人しか勝ち残れなかったんですけど、だったらチーム戦で戦っていこうよ!っていうムードになっていったんですね。
1人じゃできないことでも、何人かで集まればビジネスで成功していけるよねって感じで、集まるようになったんです。
コミュニティビジネスの始まりです。
その時代を色濃く表現しているのが、ワンピースというマンガです。
そしてこの時代ぐらいから、ビジネスには大義名分とか、理想の未来とか、目指すべき目標やゴールが設定されるようになったんですよね。
今まではお金稼ぎっていうのが絶対的なゴールだったんですけど、それだけじゃなくなってきたんです。
もちろんお金稼ぎっていう目的もあるんですけど、それよりも美しい目標が全面に出てきた感じなんですね。
こういうことに困っている人を助けるために、これをやってます!みたいな感じで理想や目標が大事にされるようになりました。
ワンピースでいうと、主人公のルフィは海賊王になる!という明確な目標があるんですよね。
これは、ドラゴンボールの悟空にはなかったことなんです。
厳密にいうと、悟空は「ただただ強くなりたい」と思ってはいたんですが、じゃあどんな目標やゴールに向かって強くなりたいのかっていう最終到達点っていうのはなくて、純粋にただ強くなって、強い敵と戦いたかっただけなんです。
でも、ワンピースでは、明確なゴール設定ができたんです。
「海賊王に俺はなる!」というセリフが単行本の1巻で飛び出してくるほど、明確なゴール設定をしているんです。
なので、ビジネスにおいても目標やゴール設定が大事ですよーってことで重要視される時代になりました。
そしてドラゴンボールが個人のレベルを極限まで極めて行く修行のストーリーだったのに対して、ワンピースではその個人の実力をアップさせていくことにプラスして、
チームやコミュニティ全体で切磋琢磨していくという要素が追加されました。
そして、仲間たちそれぞれにもストーリーがあって、目標やゴールがあるんですよね。
ゾロは世界一の剣豪になること
ウソップは勇敢な海の戦士になること
サンジはオールブルーを見つけて世界一の料理を作ること
ナミは世界中をまわって精密な世界地図を書くこと
チョッパーは何でも治せる医者になること
ロビンは空白の百年の歴史を解き明かすこと
フランキーは世界一周した船を作った師匠に憧れ、自分の作った船に乗って世界一周を見届けること
ブルックはリヴァース・マウンテンに置いてきた鯨のラブーンにもう一度逢うこと
ジンベエは魚人・人魚・人間が手をとりあう平和な世界を実現すること
このようにそれぞれに目標があって、じゃあその目標を達成するためにはルフィが率いる麦わらの一味海賊団というコミュニティに所属したほうが夢を達成できるよなぁって感じで、仲間になったんです。
それを象徴するようなセリフがあって、それはルフィのいちばん最初の仲間になるゾロのセリフなんですね。
「もしお前が俺の夢を壊すような事をしやがったら、 腹切って俺に詫びろ」
ルフィがゾロを仲間にするときに、ゾロはルフィにそう言うんです。
夢を達成することが第一目標で、そのためにお前と手を組むっていうことが明確に語られた感動するシーンです。
そのあとのルフィのセリフもいいんですよね。
「海賊王の仲間なら世界一の剣豪くらいにならないと俺が困る」って言うんですよ。
そうやって仲間たちの夢をたくさん抱えて、コミュニティは大きくなっていくんです。
これと同じようなことが、今のビジネスシーンでおこってます。
コミュニティに所属して、そしてそこでそれぞれ個人の夢を達成していく。
もちろんコミュニティ自体にも夢や目標があります。
麦わら海賊団は世界の最果てにあるラフテルという島にあるとされている、ひとつなぎの大秘宝ワンピースを求めて旅をしているんです。
それがコミュニティ全体の目標ですね。
そして、それぞれ個人の目標もそこにプラスされていく感じです。
で、今のビジネスコミュニティもそうなってます。
一例を出すと角がたつので詳しくは言いませんが、有名なオンラインサロンとかはまさにワンピース型コミュニティの仕組みになっています。
コミュニティの理想があって、それに共感したメンバーがどんどん加入して、そして加入したメンバーにもそれぞれ夢があって、その実現のためにコミュニティを活用するわけです。
ただ、何やらその流れも徐々に新しい未来型のビジネススタイルに移行しようとしているんですよ。
それがこの動画のメイン部分でもある鬼滅の刃が教えてくれてて、これからのコミュニティビジネスのヒントを得られそうなんですよね。
ではいったいどんな時代になろうとしているんでしょうか。
最後に鬼滅の刃からこれから先のビジネスモデルっていうのを見ていきましょう。
鬼滅の刃型インスタントコミュニティ
鬼滅の刃をビジネスで捉えたときに、インスタントコミュニティというのがキーワードになってきます。
ちなみにインスタントコミュニティという言葉は僕が勝手に作りました。
勝手に作ったんですけど、鬼滅の刃を語るうえでこの言葉は大事になってくるんで、覚えてください。
日本語に直訳すると、即席の共同体ということになります。
では話を進めていきます。
鬼滅の刃を読んだことがないよっていう方は、たぶん結構いるんじゃないかと思います。
若者を中心に社会現象になるぐらいなんで、時代についていきたい人はぜひ読んでおくほうがいいと思うんですけど、そうは言っても売り切れ続出で、もはや電子書籍でしか読めないような状況なんですよね。
で、話がわからないと思うんで、簡単にネタバレしない程度にストーリーをお話していきます。
まず主人公ですが、ワンピースのルフィのように「俺はこうなるんだ!」みたいな明確な目標はありません。
じゃあ悟空みたいに主人公はひたすら強くなりたいのか?っていうと、そういうわけでもありません。
何やらそこからして、今の若者というか時代背景を反映しているような感じはしますよね。
団塊ジュニア世代にとっては、悟空みたいに強くなりたいって思うし、ワンピース世代は目標必要でしょ!みたいに思いますよね。
でも今の若い人は違います。
明確な目標とか、そんなのはちょっと暑苦しいって感じるんですよね。
だから主人公に感情移入しやすいのかもしれません。
ちなみに主人公は炭治郎という名前で、人里離れたところで家族と静かに暮らしてるんですけど、ある夜、家族を鬼に襲撃されてしまうんです。
で、全滅かと思ったんですが、妹の禰豆子だけはなんとか生き残ったんですね。
でも、その妹は生きているけど、鬼になってしまったんです。
そして主人公はなんとかしてその妹を人間に戻すために、鬼殺隊という鬼を討伐する組織に入るんです。
そうやってストーリーは進んでいきます。
でね、とにかく鬼滅の刃はストーリー展開がめっちゃくちゃスピーディなんですよ。
「えっ!?そんな技どこで覚えたん?」みたいな技が平気でサラッと繰り出されるんです。
ドラゴンボールだったらじっくりと界王様のとこで修行したシーンが描かれて、そして界王拳とか元気玉とか使うんですけど、そんなシーンはズバッとカットされてて、主人公とか仲間とかは新しい技をシレッと繰り出したりします。
そういうスピード感についていけない世代はいると思うんですけど、今の若者はそうなんです。
「あぁ、なるほどなるほどどっかでこんな技覚えたのね」って感じで、どんどんストーリーが進んでいくことに集中していくんです。
なのでドラゴンボール世代とか、ワンピース世代の人は、そういうものなんだって思って読んでいくのが鬼滅の刃を楽しむためのコツです。
ストーリー全体としては、どんよりと暗いんですよね。
マンガの時代としては大正時代で、人の社会にじつは鬼が住んでいて、鬼は太陽の光を浴びると生きていけないので夜にしか行動しないっていう設定なんです。
で、鬼に変えられてしまった妹の禰豆子を助けるために修行して鬼殺隊に入隊した炭治郎が、どうやら人を鬼に変えることができる鬼は1体しかいなくて、そいつが鬼の親玉だということを知るんです。
だから話としてはシンプルです。
鬼の親玉の名前は鬼舞辻無惨という名前で、無惨しか鬼を生み出せないから、そいつしか禰豆子を元に戻せないということで炭治郎は無惨を目指して、鬼たちと日夜戦っていくんです。
で、鬼滅の刃のおもしろいところが、戦いのシーンなんですよね。
戦いのシーンがこれまでのマンガとは少し違ってるんです。
ドラゴンボールやワンピースを読んでいる人は何となくわかると思うんですけど、大事なメインの戦いのシーンって1対1が多いんですよね。
もちろんメインじゃない戦いは複数でチーム戦っていうのもあるんですけど、必ずメインとなる戦いは主人公対敵という構図になってるんです。
ドラゴンボールだと、悟空 VS ピッコロ、悟空 VS ベジータ、悟空 VS フリーザみたいな感じです。
ワンピースだと、これが仲間がそれぞれ個別に戦う形になっていきます。
僕が一番好きなCP9との闘いを例に出してみると、
ルフィ VS ロブ・ルッチ
ゾロ VS カク
サンジ VS ジャブラー
ナミ VS カリファ
フランキー VS フクロウ
チョッパー VS クマドリ
このように個別の戦いで決着がついていってるんですよね。
ただ、鬼滅の刃は違うんです。
基本的に1対1という構図ではなくて、その場にたまたま居合わせた鬼殺隊の隊士と連携して鬼と戦っていくんです。
これがまさにインスタントコミュニティです。
即席で、その場にいた鬼殺隊の仲間とチーム戦をするんです。
普段から連携技とかを練習しているわけではないんですが、必死で力を合わせようと奮闘していきます。
で、はじめは連携とかむちゃくちゃなんですけど、戦っていくうちに徐々に呼吸があってくるんですよね。
リズムではなく、呼吸です。
戦いの呼吸があってくるんです。
鬼滅の刃において呼吸というのは大事なキーワードになっていて、戦いの中で呼吸が合っていくっていうのは、このマンガの裏テーマだと思っています。
そうやってインスタントコミュニティを形成して、鬼たちを倒していきます。
目の前の鬼を倒せばコミュニティは解体されます。
もちろん鬼殺隊という大きなくくりで見れば、それはひとつのコミュニティなんですけど、ワンピースの麦わらの一味とはニュアンスが違います。
そうやってどんどんインスタントコミュニティを組んでいって、鬼を撃破していくんですけど、
そのときに鬼殺隊の隊士たちが心に持っている信念があるんですよ。
それは隊士たち全員が、なぜか訓練されたわけでも、命令されたわけでもないのに、必ず全員持っている信念なんです。
それは何かっていうと「自分はこのコミュニティのために何ができるんだろうか」っていうことを究極的に考えていく信念なんです。
もう息絶える寸前という状態でも、チームのために自分が最後までできることは何だ!というのを最後まで隊士は考えていて、そしてそれを実践していくんです。
それがすごく美しくて、感動的なんですよね。
ぜひその部分は実際にマンガを見てほしいんですけど、この動画はビジネスについてのお話でした。
鬼滅の刃から、コミュニティビジネスという形が未来型にどうなっていくのかを最後にお話していきましょう。
鬼滅の刃から見る未来型コミュニティビジネス
もうすでに一部の最先端を行っているオンラインサロンでは、こういったことは起こっているんですが、インスタントコミュニティはこれからもっと当たり前になっていきます。
プロジェクトのために人が集まって即席でコミュニティを作って、プロジェクトが終われば解散。
で、また違うプロジェクトが立ち上がったら、そこに参加する人がインスタントコミュニティを作っていく。
そうやって、集合、解散を繰り返していって、それぞれ個人力をつけていく。
そしてそんな中でより一層気の合う仲間が集まってワンピース型のコミュニティを作る。
かと思えばワンピース型のコミュニティの中からインスタントコミュニティを作っていく人が現れたり、ワンピース型のコミュニティを掛け持ちする人も現れて、インスタントコミュニティをどんどん作っていったり。
そんな感じで流動的に、自分はこのメンバーの一員なんだ!っていう感覚は薄くなっていって、「なんか楽しそうだからここに参加する」って感じで単発、単発で、パっ!パっ!とコミュニティを飛び交っていくようなイメージです。
今の最先端のビジネスをやっている人は、このような世界ですでに生きています。
鬼滅の刃式のインスタントコミュニティというのは、一部の人からしたらすでに当たり前なんですけど、多くの人はまだワンピース型のコミュニティで止まってます。
ワンピース型のコミュニティは、定着したメンバーが力を持ち寄るので、自分の役割をコミュニティメンバーに合わせていく意識が必要になってきます。
ただインスタントコミュニティでは、それがより単発になります。
なのでイメージとしては、もともと持っているキャラクターとか能力をとりあえず繰り出してみる。
で、あとはその場のノリで、たまたま居合わせたメンバーが持っているものと、どうやって合わせていくかっていう柔軟さとスピード感が重要になってきます。
この感覚がわからない人は、これからのビジネスでかなり苦労することになると思います。
だから、個人のスキルを上げるよりも、鬼滅の刃の鬼殺隊のように「自分にできることは何なんだ!?」を究極的に考えることができて、それを柔軟に発揮することができる人は、これからのインスタントコミュニティをうまく生きれます。
と、まぁ偉そうに語っている僕も、そんなに柔軟に対応できるか、正直自信はないです。
ただやっぱりこういうインスタントコミュニティに身を投じてみたいって思ってるんで、これからは積極的に参加してみようと考えています。
ということで、今回はドラゴンボール・ワンピース・鬼滅の刃から見るビジネススタイルの移り変わりというお話をしました。
僕が運営しているメルマガでは、もっと違った角度でビジネスに関するお話をしています。
興味がある方は一度覗いてみてください。
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ではまた!